道産子女、海を渡る

道北出身アラフォーが海外で生活と子育てに奮闘するブログ 北海道→ミネソタ→ケルン→武漢

グレープフルーツちょうだい

暑くなるとグレープフルーツが食べたくなる。

横一文字に真っ二つにして、スプーンですくう食べ方で。

 

小さかった頃、祖母の家で食べさせてもらった時のことをよく覚えている。

ガラスの器に入っていて、グレープフルーツ用の先のギザギザしたスプーンがあって、

お砂糖を振ってくれた。

多分その頃の私はグレープフルーツをあまり食べたことがなくて、

その食べ方がとても特別なものに感じられて、印象に残っているのだろう。

果物にお砂糖をかけていいだなんて、きっと衝撃だったろう。

 

先日亡くなった祖母にも、祖母に10年以上先だって亡くなった祖父にも、

えらいこと可愛がってもらったなぁと、今になって思う。

ずっとそうだったから、それが普通のように思ってしまっていたけれど

時折思い出す彼らとの記憶を今の私の視線で見ると

端々からその愛を感じる。

それはもう一方の祖父母も同じで、両家の家風は随分違っていたけれど、

私も弟も大切に見守られ、育てられたのだなぁと思う。

そういう記憶があることで、私は少ししっかりできている。

おじいちゃんおばあちゃんが大切にしてくれた私を、ぞんざいに扱ってはいけない。

順番がちょっとおかしいかもしれないけれど。

 

今年の夏は暑くて、毎週のようにグレープフルーツを買っては冷蔵庫に入れている。

時代のせいか、住む場所の違いか、今手に入るグレープフルーツは果肉が赤くてお砂糖をかけなくてもじゅうぶん甘い。

私がグレープフルーツを切ると、次男と三男がどこからともなくやってきて、

小鳥の雛のごとく口を開けて待っている。

スプーンですくった果肉を次から次へ彼らの口に押し込む、それはそれは幸せな時間である。

きっとすぐ、自分で食べられるようになっちゃうんだろうね。

彼らが大人になった時、こんな風にグレープフルーツを食べたことを覚えているのだろうか。